滋賀県内の各所の施設内感染が顕著になってきました。ペストを経験したヨーロッパでは、感染爆発は戦争と同じ「有事」と捉えています。独メルケル首相のあの態度もその現れと思います。日本は長らく、国の管理下で通常状態の保険診療による医療が統制されていますので、「感染爆発」に対する施設対応ができていません。吉村大阪府知事が大阪重傷者センターを立ち上げたのも、単なる思い付きでなく、国や各管轄署と予め長きにわたり認可条件をクリアして成しえたもので、もっと評価してよいのですが、報道機関と対峙していることもあり、評価が高まりません。さらに、ここでさえも、必死の対応状況です。

私たち今の現役世代の大多数が自然災害に対する経験値はあるのですが、戦後、新たな「有事」はないので、医療はこういった有事での施設がありません。高次病院がせいぜい1-3床の範囲で受け入れる程度です。ですから各地方自治体の医療がすぐに満杯になります。

国はこれより、相変わらず、お金で受け入れ医療施設(者)の拡充を図っていますが、有事を経験していない医療関係者でさえも身の安全・家族の安全を考えますし、近隣住民の不安感を煽りますので対応困難でしょう。
従って、これからはワクチンの普及・接種に力点をおくことになります。最近、ニュースで取り上げる機会が増えてきた背景でもあります。

そうなると、国民の皆さんから医療者に必ずこんな質問が飛び込みます。
「このワクチンは打っても安全なのですか?」
私からの一般的なお応えは「国が承認するのであれば一応の安全性の担保が保障されるでしょう。」「されます。」ではなく「でしょう。」なのです。
 国民の皆さんの多くはこの未知のワクチンを何の疑いもせずに打つ方はむしろ少数に留まるような気がします。

今後どのような展開になるのか。事態を見守り、自らの行動規範を作りましょう。